●多忙な小中学生

昨今の小中学生は、昔よりも忙しくなっているということをひしひしと感じている今日この頃です。サッカーやバスケットボールに代表されるスポーツの習い事、ピアノや習字、英会話に代表される文化的な習い事など、いろんな習い事をやっている小学生のお子さんはかなり多いです。最近は、プログラミングや将棋などの、社会の実情に合わせたものや流行に乗った習い事もどんどん増えています。中学・高校生になれば部活動に精を出すお子さんが増えるでしょう。さらに友人と一緒に過ごす時間も増え、ゲームやネットの世界にかける時間も多くなってきます。本当に、いつ休んでいるのか心配になります。

かくいう私も、中高時代は部活動に勤しむ傍ら、友達とカラオケやゲームセンターに遊びに行きました。平日も、家に帰ってきてからは勉強もしていましたがゲームやテレビを見て、夜更かしは当たり前。とてもじゃないけれど、勉強に心血を注ぐ模範的な学生ではありませんでした。

●おうちでもできる国語力のあげ方

それはそれとして、今の子供たちの国語力はどうかという話です。いろんな刺激を受けて、それを伝える手段としての国語力は伸びてはいないというのが率直な感想です。国語力とは、自分が見たり聞いたりして受けた刺激を理解する力。そしてそれを自分の言葉で構成しなおして伝えられる力です。例を挙げれば、文章を読んで、「この文章で筆者が言いたいことは~ということだ」といえれば、国語力があるということになります。

ネットが普及し、膨大な情報が私たちを取り巻くようになった現代の社会。いろんなことに追われて忙しい子供たちが、彼ら自身の国語力を時間をかけて磨いていくには時間が足りません。家庭内のすきま時間を見つけて、少しずつでもコツコツと国語力を高める必要があります。その方法は、お子さんが帰ってきたときに、「今日の出来事を聞いてみる」ことです。ただし、お子さんも人間です。部活や遊び、習い事をして疲れて帰ってくるので、嫌がることも一言で終わってしまうこともあるでしょう。しかしながら、お子さんの中にも自分のことを知ってほしい・聞いてほしいという気持ちはしっかり持っています。反応が悪くてもめげずに、「話を聞こう!」と意識的になるのが大切です。そこから今まで見えてこなかったお子さんの成長が見えてきたり、親子関係が進展したりと、いい変化があるかもしれません。。

●親子の会話が国語力を育てる

「今日はどうだった?」と聞いても、「グラウンドで遊んだ」とか「○○ちゃんとドッジボールした」など部分的な内容しか言ってくれないこともあります。返しの会話で内容に踏み込んでみましょう。「誰と遊んだの?」や「ドッジボールで誰かあてた?当てられた?」など内容を掘り下げてみるのがポイントです。そのうちに「○○君と鬼ごっこ。じつは突き飛ばしちゃって…」とか「最後の一人まで残ったんだよ!」というふうに、出来事やそこからくる感情を鮮明に語りだしてくれます。「わざとじゃないんだけど、タッチした時に手が強く当たっちゃって。明日謝ろうと思っているんだけど許してくれるかな。」なんて言葉が聞こえてきたなら儲けものです。その瞬間、お子さんは自分の頭を回転させて、自分の行動や考えを相手に伝わるようにかみくだいて説明しているのです。この時まさに国語力を駆使しているといえるでしょう。

こういう時、保護者の方が「どう謝ったら許してくれるかな?」とか「どうして強くタッチしちゃったのかな?」など、声をかけてあげるとさらに思考が深まり力がつきます。お子さんは事実・経験を正しく詳細に相手に伝えるために、自分の考えを整理するために思考します。それが、将来の受験するために必要になる国語力の素地になっていくのです。

●意思を伝える力が身について国語力に

学校からくるお知らせからくる親子の会話も学びのチャンスです。学校からのお手紙に対し、保護者の皆様も、お仕事などでお子さんと同様にご多忙のことでしょうし、普段ならば「後で見るからそこに出しといて。」となると思います。ここで少しだけお子さんに歩み寄って、「なんのお知らせ?」「どんな話?」と聞いてみるとよいでしょう。

そうするとお子さんは、「修学旅行のこと」とか「授業参観だって」と断片的にだけ話してくれるかもしれません。そこで先ほど述べたように、「それはいつ?」「どこへ行くの?」「ついていっちゃおうかな!」と会話を進めてください。そのうち、「私が準備しなきゃいけなことってある?」という会話の流れになったとします。するとお子さんは頭を回し、「〇月×日に△△△へ週就学旅行に行くよ。集合時間は□□へ朝7時。おひるごはんは途中で買うからお金が欲しい。」と話してくれるでしょう。こういうやりとりを続けていくだけでいいのです。

お子さん自身は「自分が伝えたいこと」のみを考え、意識せずに意思を伝える練習をしています。中学受験・高校入試に必要な語彙力程度であれば、このトレーニングだけでも着実に力をつけることができます。また、学校行っている間のお子さんを知ることにもなるので、保護者の方にもメリットがあるといえるでしょう。