受験生の中でもとりわけ中学受験をするお子さん・保護者の方が抱える疑問があります。
・文章にどう線を引くべきか
・問題文へどのように線を引かせれば良いか
小学5・6年生の高学年のみならず、低学年の保護者の方でもこういった悩みを抱えているかもしれません。
わたくしの持論を申し上げますと、「引くべき部分にしか引けない」ということになります。別の言い方をすれば、「引く部分が浮かび上がってくるので迷う必要がない」というのが妥当でしょう。
どこかで聞いた、腑に落ちない言葉かもしれません。もう少し丁寧に説明したいと思います。
まず、当塾では体験授業にて、線を引く部分の浮かび上がらせ方である当塾の「読解公式」についてを取り扱います。簡単な短い文章を使って、浮かび上がってくる部分はどこかを先ほどの公式を使って確認します。浮かび上がる部分とは、その文章の肝になるところ・文章の骨組み=「筆者の主張、伝えたい部分」にあたります。
長い文章の中でその部分をピックアップしていき、最後にその部分をまとめてつなぎ合わせれて読めば、その文章を通しての要約つまり筆者の主張の「流れ」が浮かび上がってくるように考えた上で、先ほどのような言い方をさせていただきました。
私は授業準備の際に、問題文を通読し、文章全体の構造を捉え、再度読みながら線を引くという作業をしております。その際に私自身も読解公式を使用して文章を読み解いております。具体的には、
・この部分は問題提起部分だから、確認したうえでその問題の答えを探そう
・ここは筆者の主張にあたる部分だから、本来なら線を引かねばならないけれど、詳しく説明されすぎてどこからどこまでが大事かわかりにくい。うまくまとまっている後の段落の表現のほうが問題に使えそうだ・ここは筆者の主張を説明した具体例だから、書かれている内容だけ押えて先に進もう
・結論が何度も言葉や表現を変えて述べられるけれど、一番端的に簡潔にまとまっているこの部分に線を引いておこう
といった感じで線を引くべき部分を事前に考えておきます。
一見難しい考え方をしているようにも見えますが、生徒に指導するとき使用する「読解公式」を使用しているので、入塾してくれた生徒はみなこの考え方ができるようになります。
具体例はいらない。主張は端的な方が〇。など機械的に内容を判断して、情報の取捨選択ができるようになり、解答時間の短縮も可能です。
一つ注意していただきたいのは、決して「必要な箇所以外に一切線を引くな」というわけではありません。文章を読んでいて、「ここは結論につながりそうだから大事そう」とか「この部分はよくわからないけど先を読んだらわかりそう」など、文章を読んでいくうちに気になった箇所があった、設問のためにそこを忘れないようにしたいという理由があれば、どんどん印をつけてかまいません。
ただ、むやみやたらに線を引きまくったり、ぼんやりとはっきりしない理由で線を引いているうちに時間だけが経過して問題が解けなかった、なんて本末転倒な事態を避けて欲しいのです。